経営学というもの


ITと経営(マネジメント)の両方をお伝えしているIT経営コンサルタントのマイスター川上です。

ここ数年、ITコンサルタントではなくIT経営コンサルタントと名乗りだしたのにはワケがあります。
ITコンサルタントとして色々な相談を受けたりアドバイスを行っているのですが、クライアントさんにIT以前の話、つまり何のためにITを活用するのかというそもそも、つまりマーケティングやマネジメントといった「経営」に関するお話をさせていただくことが増えてきたからです。

さて、経営学というとこう言う人が少なからずいます。
「経営学は役に立たないから嫌いだ」
確かに、経営と言うのは同じことをやっても環境やタイミング、さらに言えば運不運によっても結果が異なります。教科書どおりにことが運ぶことは少ないですし、メディアや一部の経営コンサルタントの話す成功事例を鵜呑みしても同じように成功できる保証はありません。

中国の故事に、秦の白起将軍が40万人の捕虜を生き埋めにした長平の戦いと言うのがあります。
負けた趙国の将軍は趙括。趙括は趙国の英雄である趙奢将軍の子で、幼いころから兵法を暗記し、兵法論では父を負かすこともある神童でした。しかし、兵法を実践に活かすことが出来ず、白起将軍に大敗してしまいます。

しかし、この一事を以って兵法は役に立たないとは言えません。兵法と言うのは原理原則を集めたもので、状況に合わせて応用を利かせることが必要だからです。趙括にはそれが出来なかったのです。しかし、そもそも兵法を知らなかったら将軍に抜擢されることすらなかったでしょう。
兵法を知っているからと言って戦いに勝てるとは限りませんが、兵法を知らなければ戦いの土俵にすら上がれないのです。もし兵法を知らないものが将軍になったら、100戦して100敗することは想像に難くないでしょう。

経営学も同じです。経営学を知っているからと言ってビジネスで成功するとは限りませんが、経営に関する知識がなければ運に頼るほかなく、成功する可能性はぐっと低くなります。
つまり、経営学は役に立たないといっている人は、自分には原理原則を実践にあてはめる応用力がありませんと言っているようなものなのです。
そういう人は起業したり経営に携わったりしてはいけません。起業してしまった後だったり、経営スタッフとして活動しているなら、好き嫌いに否応無く経営について学ぶ必要があります。

経営知識、身に付ける努力してますか?

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